中学受験の特徴
◆中学受験について、マスコミでその加熱ぶりが度々報道されるように、子供の将来を真剣に考える親に中学受験が注目されている。それは、近年になって施行された「ゆとり教育」や「学級崩壊」など公立校への危機感からである。かっては裕福な家庭の子供が私立中学へ進むことが一般的な傾向とされたが、最近は少子化の影響も相まって、中・低所得世帯のあいだにも中学受験が広まりつつあるのである。それに呼応するかのように私立中学側も費用を安くする傾向にある。また最近では、国立中学もほとんど学費が掛からないので人気が高いようである。
◆約700校の私立中学が日本にある。その分布には偏りがあり、首都圏では、東京都179校、神奈川県62校、埼玉県20校、千葉県23校と4都県で284校を占められる。京阪神では、大阪府63校、兵庫県39校、京都府24校と3府県で126校を占めている。こういったことから、首都圏と京阪神地区の二極で中学受験が盛んである。なお、受験とは違うが、一部の地域で公立学校選択制が施行されたため、無選抜の公立学校に入学する場合でも進学先を選定することがある。
◆私立中学校に入学させる最大のメリットとしては次の通りである。1)教育レベルが違う。 独自のカリキュラムを持っている。2)宗教教育が公立校では宗教教育を受けられない。ゆえに信者家庭にとっては宗教系私立中学校に人気がある。3)高校への内部進学が可能だから。4)大学への内部進学が可能だから。 5)中高一貫教育。公立中学に比べて、学校生活でいじめなど問題行動に巻き込まれにくい。6)ブランド価値がある。また卒業後の人間関係・人脈がその後の人生に多大な恩恵となる。
◆しかし反面に良いことばかりではない。まず教育費が私立大学並みに掛かること。当然入学前の通塾費も必要になる。また高校・大学受験などと違って浪人することが事実上想定されていないため、相当なプレッシャーが親子共にかかること。そして最大の問題は、無理して入学した後に落ちこぼれる危険性も少なからずあることである。このように大変な面も大きいが、中学時代から優秀な人間の中で揉まれ、人間としての成長が大きくなるというメリットの方が遙かに大きい。思春期に良い環境のもとで勉学に勤しんで貰いたいと真剣に考える親にとって、中学受験は、一度は考えてみる価値があるといえよう。