中学受験の現状
◆中学受験熱が、年を増す毎にヒートアップしていくようである。理由は様々なだろが、近年になって施行されたゆとり教育や学級崩壊への危機感も大きいようである。かっては富裕層の子供が私立中学へ進むことが世間の常識だとされたが、最近は少子化の影響も相まって、経済的には下層とされる世帯でも中学受験が広まりつつあるのである。それに呼応するかのように私立中学側も費用を安くする傾向にある。私立校側も少子化対策をとろうとしているのかも知れない。また最近では、ほとんど学費が掛からない国立中学も人気が高いようである。
◆現在、私立中学は日本に約700校あるが、それらは首都圏で284校を存在し、京阪神では126校存在する。この数字からも明らかなように首都圏と京阪神に私立中学が集中しているのである。よって、首都圏と京阪神地区の二極に中学受験が集中する傾向にある。また受験とは違うが、一部の地域で公立学校選択制が施行されたため、無選抜の公立学校に入学する場合でも進学先を選定することがある。
◆私立中学校に入学させる最大の理由としては次の6点があげられる。1)教育レベル。 独自のカリキュラムを持っている。2)宗教教育公立校では宗教教育を受けられないことから、信者家庭にとっては宗教系私立中学校に人気がある。3)高校への内部進学が可能。4)大学への内部進学。 多くの私立大学附属校では、高校への内部進学のみならず、大学受験をせずに大学までエスカレーター式に内部進学できるというメリットがある。5)中高一貫教育。公立中学に比べて、学校生活で問題行動に巻き込まれにくいこと。6)ブランド価値が得られる。また卒業後の人間関係・人脈 優秀な同級生との繋がりは、金銭的なものには代えがたい財産になる。
◆しかしである。このように良い面ばかりではない。まず教育費が当然公立中学では無料だが私立中学では相当に掛かること。入学前の通塾費も必要になる。また高校・大学受験などと違って浪人することが事実上想定されていないため、中学受験には、プレッシャーが親子共にあること。また最大の問題は、無理して入学した後に落ちこぼれる危険性も少なからずあることである。ただ、このような受験をくぐり抜けた優秀な人間の中で揉まれ、人間の幅が大きくなるというメリットも大きい。極力良い環境のもとで学生生活に勤しんで貰いたいと願う親にとってみれば、中学受験は、ますます、すそ野を広げて加熱すると思われる。